【66762】トルクモータをインバーターで駆動する【続々編】 … の補足説明です。

(1) 二重かご形誘導電動機の回転子構造について
上部導体:抵抗が銅の 4 ~ 7 倍高い材質。部導体:銅。

リアクタンスの変化させることにより、等価的に 2 次抵抗を 5 倍程度変化させているらしい。
トルクモータも同じようなことをやっているのではないかと考えています。

(2) 巻線形誘導電動機の回転子構造について
巻線形誘導電動機の回転子も 2 層巻もしくは、多層巻になっているそうです。
回転子
固定子巻線は銅棒で電流密度は、3.5 ~ 5.5〔A/mm2〕で設計します。
固定子巻線を多層化することで漏れリアクタンスを少なくして、導体の電流密度を均一化する目的があるそうです。

巻線形誘導電動機の始動時の 2 次側端子電圧は電源電圧よりも若干高め、2 次側電流は 1 次側電流よりも若干低めになります。早い話、モーター容量と同程度のグリッド抵抗器が必要になります。

同じ巻線の多層化でも抵抗値が同じか違かによってリアクタンスの挙動が違うようです。2 層巻の回転子導体の電流密度のイメージ図です。


(3) トルクモータの回転子構造について
トルクモータの回転子には、巻線形誘導電動機の比例推移のためのグリッド抵抗器に相当する抵抗値が入っているわけです。
同期速度以下の領域で運転をする場合、いくら短時間定格といえども発生する抵抗損は相当大きなものになるはずです。
回転子の発熱量を少しでも減らすためには、(1) で書いたように何らかの方法で等価的に抵抗値を大きくしているのではないでしょうか。

トルクモータは機能上、力率・効率を度外視して、すべりトルク特性に特化したモータです。
トルクモータも巻線形誘導電動機のように、電流・力率・効率のスペックを公表してくれれば、問題解決の糸口が見つかると思っています。

投稿日 2018/02/02 (Fri)
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