入力機器の二重化配線は、「ソース+シンク」の組み合わせ、もしくは「ソース+ソース」の組み合わせで安全回路を構築しています。
なぜ「シンク+シンク」の組み合わせがないのか考えたこともありません。これも「ディープな世界」がありそうなので、お暇なときに調べてみます。
とりあえずは、メーカのカタログ通りに接続して一件落着です。
最近のシーケンサ関連の電子デバイスを見ると、NPN 形バイポーラトランジスタ(通称:NPN トランジスタ)や PNP 形バイポーラトランジスタ(通称:PNP トランジスタ)は使っていません。バイポーラトランジスタよりも性能がよいといわれている N 形エンハンスメントモード MOS(通称:N-MOS)、
P 形エンハンスメントモード MOS(通称:P-MOS)を使っています。このため、NPN 出力は「シンク出力」。PNP 出力は「ソース出力」という表現に
なっています。
(1) DC 24V 回路の接地について
感電防止のために DC24V の低電圧を採用をしているので、あえて DC24V 電源を接地する必要はないと考えます。
シーケンス制御回路に DC24V を使う理由は、JIS C60364-4-41:低圧電気設備第 4-41 部:安全保護-感電保護に記述があります。
制御回路に使用する DC24V 電源は、専門用語で特別低電圧( ELV )といい、次の 3 つに区分されます。
(2) ノイズ対策としての接地
ノイズ対策の基本はシールド接地です。JIS C60364-4-41:低圧電気設備第 4-41 部では、(制御電源の)プラス接地もしくは、マイナス接地の接地極の指定を見つけることができませんでした。DC 24V 電源の接地または非接地の選択は、使用者の判断にゆだねられていると考えます。
マイナス極接地のシンク接続は、負荷機器の電食の心配もしないといけないので、もしもマイナス極接地をする場合、負荷はソース接続がいいですね。(そーすっ!! *_*; )
制御回路にシーケンサを用いる場合、非常停止回路を組み入れるので入力電源と出力電源を分離することが多いと思います。
入力電源と出力電源を接地するとき、マイナスコモン接地が一般的な組み合わせになると思います。
(プラスコモン接地は、回路上ノイズマージンの観点から回路設計は難しいと考えています。)
マイナスコモン接地で制御システムを製作した場合、地絡時に制御システムを安全側に動作させるためには、ソース出力形( PNP 形)にならざるを
得ないと考えています。
島倉千代子の歌ではないが、♫人生色々~♫。地絡も色々~♫。
地絡はあたり構わずどこでも発生します。さらに予期せぬ形で発生するので、それなりの対策を施す必要があります。
一番効果のある対策は「非接地」ですね。制御電源の「非接地」が認められているので、無理して接地して PNP トランジスタを採用する必要はないと
考えます。(↓プラス極接地は、ノイズ対策の回路構成が難しいことはすでに述べた。)
(3) NPN トランジスタか PNP 形トランジスどちらのなのか
これに対するご意見も、さまざなの人がさまざまな理由と解釈を持っています。さなざまな解釈を考える前に、NPN 形トランジスタとそのコンプリ
メントトランジスタの PNP 形トランジスタの規格を「眼光紙背」で見比べれば、なぜ制御系のトランジスタが NPN 形なのかがわかります。
PNP 形トランジスタに比べて NPN 形トランジスタが優位な点は、
安全回路の構築は「シンク形」+「制御回路の非接地」の鉄板コンビネーションですね。だと考えています。
(4) うんちくのおまけ
N-MOS、P-MOSは、バイポーラトランジスタのように、極性はあまり気にしません。
例えば、三菱電機シーケンサの QY68 は、シンク出力とソース出力を 1 つのユニットでおこなっています。バイポーラトランジスタは、ダイオードのスイッチ機能なのに対し、MOS-FETは、ドレイン・ソース間の抵抗変化を利用しているため、このような極性なしの使い方が可能になっています。
NPN 出力だ、PNP 出力だといえない環境も現実に存在します。
以上、「手抜きオヤジ」の身勝手な解釈でした。
投稿日 | 2018/02/12 (Mon) |
更新日 | |