配線間および配線と大地間(構造物間)にコンデンサが形成される。このコンデンサにノイズが乗ることが原因と考えられます。
誘導性リアクタンスにちょうじょうされるノイズのエネルギーは小さく、コントロールリレーを付勢(オン)させるほどのエネルギーはありません。
動作的にこのノイズは問題ないと考えます。蛇足で直流回路コンデンサの計算式とコンデンサ削減の一般定期な対策案を説明します。

ブリッジダイオードの二次側電圧 … の補足説明です。

(1) 質問の回路図
三相全波整流器を単相として使用し、二次側の配線は 30m あります。
全波整流回路

(2) 配線間に発生するディファレンシャルノイズについて
回路中に整流用ダイオードが入っています。ノイズの電圧が DC 電源よりも高いと DC 電源側から電流は流れません。
負荷側から見れば電線間開放と同じで、インピーダンスは無限大となってディファレンシャルノイズの影響を受けやすいと考えられます。
整流回路|簡略図

(3) 線間コンデンサについて
配線材料および配線施工方法がわからないので勝手な解釈で書きます。

【憶測】ノイズは静電容量に比例して蓄積されます。
線間のディファレンシャルノイズの値が大きいので、おそらく大地・電線間ノイズ(コモンモードノイズ)の値も大きいものと推測できます。
念のためにコモンモードノイズも測定をしてみてはいかがでしょうか。
線間コンデンサ
線間の静電容量 C1〔pF/m〕= 27.8 × ε
 Loge ×( 2 ×線心間距離 D〔mm〕/ 導体外径 d〔mm〕) 

ビニル電線の比誘電率 ε : 6.5
架橋ポリエチレン電線の比誘電率  ε : 2.3
2mm2 の仕上がり外径 D : 3.4mm
3.5mm2 の仕上がり外径 D : 4.0mm
2mm2 の導体外径 d : 1.8mm
3.5mm2 の導体外径 d : 2.4mm
【電線 30m の静電容量】
電線サイズ
〔mm2
ビニルケーブル 架橋ポリエチレン
ケーブル
2mm2 4,277 pF 4,746 pF
3.5mm2 1,513 pF 1,680 pF



【67280】Re:ブリッジダイオードの二次側電圧 … おじさん様からのご指摘を受けて再計算しました。

計算ミスの原因は、

正しい電線間の静電容量計算式 $ \ C = \varepsilon \times \displaystyle \frac{ 1 }{ 4 \times \log e ( 2 \times D/r) } \times \displaystyle \frac{ 1 }{ 9 \times 10^9 } \ 〔F/m〕 = \displaystyle \frac{ 27.8 \times \varepsilon }{\log e ( 2 \times D/r) } \ 〔nF/m〕 $

D : 電線間の距離〔m〕 … 仕上がり外径と同じ
r : 導線外径〔m〕
9×109 : クーロンの法則:比例定数の値

【再計算の電線 1m あたりの静電容量】
電線サイズ
〔mm2
ビニルケーブル 架橋ポリエチレン
ケーブル
2mm2 142.6 pF  50.5 pF
3.5mm2 158.2 pF  56.0 pF

ディファレンシャルノイズ低減対策(案)

(1) 配線長が長いときのリレーは、AC 駆動タイプを使用する。
リレーの型式がわかりませんが、操作コイルの容量の小さな DC リレー、たとえばターミナルリレーなどは静電容量の影響で消勢(オフ)時に
遅れが発生します。配線の容量性リアクタンスの影響の小さな AC 駆動のリレーを使う。

(2) ツイストペア線を使う
ツイストペア線は誘導性ノイズに強いだけでなく、容量性ノイズにも強い特性を持っています。

【ツイストペア線のノイズ低減率】
被誘導側の配線 1 インチ
あたりのピッチ
ノイズ減衰率
比率 dB
並行線 -- 1:1 0 dB
ツイストペア線 4 14:1 23 dB
ツイストペア線 3 71:1 37 dB
ツイストペア線 2 112:1 41 dB
ツイストペア線 1 141:1 43 dB
鋼製電線管内の並行線 22:1 27 dB
ツイストペア線

(3) 配線をコンジットパイプ(金属管)に収めるなど

投稿日 2018/12/11 (Tue.)
更新日  
 

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