三相電源から単相電力を供給供給する場合の回路設計の考え方を述べます。

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論点を少し分けて説明します。

(1) DC24V の構成を 3 相 200V から作る必要があり、600W のスイッチング電源を大量に使用します。
スイッチング電源の DC 並列接続は 2 台までで、3 台以上の並列接続はできませんね。

定格電力以下の負荷電流供給は、少しでも出力電圧が高い側のスイッチング装置から電流が供給されます。
スイッチング電源 2 台並列接続、スイッチング電源の出力特性の交点は 2 点なのでバランスが取れた電流供給が可能です。
スイッチング電源が 3 台の場合は、出力特性の交点が 3 箇所になり、どれか 1 台が過負荷電流遮断して安定した電流分担は期待できません。

スイッチング電源特性

(2) 電源設備容量(KVA)はどう求めれば良いかご教示ください。
600〔W〕は直流出力の最大定格であって、交流負荷の大きさとは違いますよね。
交流電力を実効値で表現すれば、直流電力計算と同じように簡単に計算できます。(各相の位相やベクトルは、どうやら関係なさそうですね。)

例えば、A 機、B 機、C 機の単相スイッチング電源で説明します。
単相全波整流波形の実効値は、最大値の約 0.7 倍。三相全波整流波形の実効値は約 0.96 倍。
単相スイッチング電源ユニットに三相全波整流波形を印加しても正常に動作します。
三相全波整流のほうが実効値電圧が大きい分、出力(直流)電流は小さくなります。
全波整流波形

質問氏は、単相負荷電力の合計は三相電力で表したときにどうなるか?です。本事案の場合は、直流電力の総和は三相電力でもあります。
三相全波整流にして直流化します。直流化することで直流電力=交流実効電力となります。
三相全波整流電力を各単相回路に供給する場合、単相電力容量に見合う電流を三相全波電源から流れます。
ダイオードの変換損失を無視したとき、三相全波整流器の入力(三相実効電力)は、直流電力の総和と同じになります。

交流回路の計算は交流の値を実効値化することで、直流と同じ計算ができます。
各相の電流計算は、三相不平衡計算で簡単に求めることができますので、ビットコインか、投げ銭をいただければ詳しい計算方法を開示します。
ブロック回路

(3) おまけ
スイッチング電源の力率は歪み波形による総合力率で、誘導性リアクタンスや容量性リアクタンスによるものとは異なります。
スイッチング電源が軽負荷ほど入力電流の歪が大きく力率は低下します。
オムロン(株)のスイッチング電源は軽負荷時の総合波形力率を示していて、TDK ラムダ(株)のスイッチング電源は最大負荷での
総合波形力率を示しています。電源設備容量を基準に考える場合は、DC 最大出力÷ 0.9 程度で良いと思います。

投稿日 2021/06/15 (Tue.)
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