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電力設備の技術計算データーベースです。

目次 … 項目をクリックすると該当リストにジャンプします。

第 1 節:電動機出力計算

第 2 節:空気加熱

第 3 節:三相電力回路の計算 … マクロプログラム版

第 4 節:ディーゼル発電機とインバーター機器

第 5 節:電線・ケーブルの短絡電流保護

第 6 節:系統短絡事故の計算

第 1 節:電動機出力計算

第 1-1 項:電動機の始動時間

(1) モータトルクと加速トルク

TA = J ×  2 $ \pi $ 
60
× dn
dt
〔N・m〕
TA :加速トルク TM - TL〔N・m〕
TM :モータトルク〔N・m〕
TL :負荷トルク〔N・m〕
J :慣性モーメント〔kg・m2
n :回転速度〔rpm〕
t :時間〔秒〕
三相誘導電動機速度トルク特性

(2) 加速時間 … 停止状態から速度 n に達するまでの時間
加速トルクが大きいと始動時間が短い。

t =  2 $ \pi $ 
60
× $ \displaystyle \int_{ 0 }^{ n} $ dn
TA
〔秒〕

負荷がファンの場合は、
• ファンの慣性トルクが、回転速度の 2 乗で増加する。
• ファンの空気押し込みトルクも回転速度の 2 乗で増加する。
 それぞれのトルク特性が「回転速度 2 乗トルク」(非線形)のため、電動機始動時間の計算は面倒になります。

 停止状態から定格速度を 10 等分し、区分求積法を使って始動時間を計算します。
10 等分した速度、例えば 1800〔rpm〕の場合 180〔rpm〕ごとの加速トルク Tn から、区切りごとの加速時間を求めます。
それぞれの Δ Tn 加速時間を合算して、始動時間を求めます。
メーカは三相誘導電動機の速度・トルク特性を公表していないので、特性データを入手するには技術営業を経由しなければなりません。

Δt1  2 $ \pi $
60
× J × 10
TA1
〔秒〕
Δt2  2 $ \pi $
60
× J × 10
TA2
〔秒〕
Δtn  2 $ \pi $
60
× J × 10
TAn
〔秒〕 …

区分求積法
ファン始動時に出口ダンパが開いていると負荷トルクが大きくなり、始動時間も長くなります。
空気および水には「粘度抵抗」(摩擦抵抗)があるため、出口ダンパを締め切って撹拌すると摩擦熱が発生します。
この熱量がかなり大きいので注意してください。

(3) 直線運動と回転運動の慣性モーメントの相違

【直線運動と回転運動の相違】
  直線運動 回転運動
F〔N〕 T〔N・m〕
質量 m〔kg〕 I〔kg・m2
加速度 加速度 $ \alpha $〔m/s2 角加速度 $ \alpha $〔rad/s2
速度 速度 v〔m/s〕 角速度 ω〔rad/s〕
距離 距離 s〔m〕 回転角 $ \phi $〔rad〕
エネルギー $ E=\displaystyle \frac{1}{2} \times m \times v^2 $〔J〕 $ E=\displaystyle \frac{1}{2} \times I \times \omega^2 $〔J〕

(4) ファンの特性 … ファン回転速度と性能の関係。
回転速度 N0 → N1 に変化したときのファンの風量、風圧、軸動力の性能変化。

\begin{eqnarray} 風量 \ Q_{1} &=& \Bigl( \displaystyle \frac{N_1}{N_0} \Bigr) \times Q_{0} \ 〔m^3/s〕 = 体積 \ 〔m^3〕 \times 回転速度〔s^{-1}〕 \\ 風圧 \ P_{1} &=& \Bigl( \displaystyle \frac{N_1}{N_0} \Bigr)^2 \times P_{0} \ 〔Pa〕\\ 軸動力 \ L_{1} &=& \Bigl( \displaystyle \frac{N_1}{N_0} \Bigr)^3 \times L_{0} \ 〔W〕\\ \end{eqnarray}

風速 V〔m/s〕は、ファンの回転速度に比例する。圧力〔Pa〕(風圧)は、設備に供給する空気圧力と管路(ダクト)抵抗による損失圧力からなる。
空気圧力および損失圧力とも計算式は、

圧力 P〔Pa〕=  1 
2
×ρ×V2圧力は、風速(回転速度)の 2 乗に比例する。

(5) 風量制御と軸動力の関係
インバータ制御の風量は、効率よく 2 乗曲線に沿って制御できている。 … 【資料出典】ファン・ポンプ省エネ計算システム@三菱電機

風量〔%〕
回転速度〔s-1
軸出力〔%〕
吸込みダンパ 吐出しダンパ バルブ制御 インバータ制御
10 65 73 76 7
20 67 83 82 9
30 69 91 87 14
40 72 98 92 22
50 76 103 97 34
60 81 108 102 49
70 86 111 108 66
80 95 115 113 92
90 118 118 118 125
ファンの特性

第 1-2 項:ファンの所要電力

(1) 送風機の分類
• ファン:風圧 10〔kPa〕未満。
• ブロワ:風圧 10〔kPa〕以上~ 100〔kPa〕未満。
• ルーツブロア:風圧 100〔kPa〕以上

送風機の分類

(2) 遠心ファンのプレート構造

【送風機の種類と用途】
分類 形式 特徴
ファン 多翼ファン(シロッコファン) 多くの羽根が回転する構造になり、小型で圧力係数が高いことが最大の特徴。
その反面やや効率が低い面もある。
ラジアルファン(パドルファン) 羽根車の形状がシンプル(プレート)で、ファン自体の耐久性に優れている特長がある。
使用する現場に粉塵等が飛散する場所に使用されることが多い。
ラジアルファンは斜流タイプと軸流タイプの 2タイプが一般的に普及している。
後向きファン(ターボファン) ターボファンとの名称の方が世の中に普及しているファン、羽根が後ろに傾いている。
ターボファンは性能が安定して発揮することから、幅広い用途・シーンで使用されている。
翼形ファン(ターボファン) その名の通り、羽根車が翼形状になって羽根車の形状から風量を必要とする場合に向いている。
斜流ファン 軸流ファンと遠心ファンの中間の位置するファンで、軸方向から空気を吸い込み軸の斜め方向に圧力を与る。
軸方向に空気の出口を変えて送風する構造となっている。
軸流ファン 非常にシンプルな構造で軸方向から空気を吸い込みそのまま軸方向に送風する。
ターボファンの中で最も効率がよく、発熱体の冷却用途として幅広く使用されている。
横流ファン 空気を送る出口が横に長く薄いことが特徴で、エアーコンディショナー等で多く採用されている。
ブロア 遠心・斜流ブロア 遠心ファンと斜流ファンよりも圧力が高くなってい。
軸流ブロア 遠心・斜流よりも圧力が高くなっていることが特徴。
粉塵等が飛散する環境での仕様には不向きな点もあるが、遠心ブロア・斜流ブロアと比較して効率が良い。

羽根車

(3) 遠心ファンの特性曲線図
羽根車(インペラ)の構造や回転速度の違いによって特性は大きく異る。
シロッコファンの風圧は、風量が少ない領域ではサージングが発生する。50〔Hz〕運転でも60〔Hz〕でも、風圧の谷の大きさは変わらない。
サージング現象は、シロッコファンの羽根車(インペラ)の形状に起因する現象なのでインバータ可変速度運転してもサージング対策にはならない。

特性曲線の出典:(株)タニヤマ 送風機ハンドブックから抜粋
特性曲線

(4) 送風機の全圧と静圧

全圧と静圧

(5) 送風機の静圧 PS
静圧はダクトの中に空気を押し込む力。ダクトと空気の間のダクト抵抗(摩擦抵抗)が発生する。ダクト抵抗は、

(6) 送風機の動圧 … 速度風圧 Pd
送風機の発生する全圧力の一部が静圧で残りが風速になる。風速を圧力に置き換えたものが動圧(速度風圧)。

PV V2
 2g 
・γ
PV :動圧〔Pa〕
V :風速〔m/sec〕
g :9.8〔m/sec2
γ :気体の単位体積重量〔kg/m3

(7) 全圧 PT
全圧 PT = 静圧 PS + 動圧 Pd
全圧・動圧・静圧

(8) 回転速度
• 風量 :$ \dfrac{Q_{2}}{Q_{1}} = \dfrac{n_{2}}{n_{1}}$
• 風圧 :$ \dfrac{P_{2}}{P_{1}} = \biggl(\dfrac{n_{2}}{n_{1}} \biggl)^2 $ … 送風機の 2 乗負荷特性の要因。
• 動力 :$ \dfrac{W_{2}}{W_{1}} = \biggl(\dfrac{n_{2}}{n_{1}} \biggl)^3 $

n :回転速度〔rpm〕
Q :風量〔m3/sec〕
P :風圧〔Pa〕
W :動力〔W〕

(9) 送風機の所要動力
吸込状態の標準空気は、温度 20℃、絶対圧力 101.34kPa、関係湿度 65 %で単位体積重量は、1.2kg/m3 として取扱いう。
基準空気と表現する場合は、温度 0 ℃の状態における空気で取扱う場合は単位を〔Nm3〕で表す。

空気には重さがあって、空気を毎秒 V〔m/s〕で移動させるに必要なエネルギーが仕事率〔W〕になる。
空気は約 1.2 〔kg/m3〕の質量があるので「モル質量」も見てください。 icon モル質量
仕事率

🟠【空気質量の計算】

気圧:〔hPa〕
気温:〔℃〕
湿度:〔%〕
体積:〔cm3
丸めの桁数: 桁



空気質量:〔g〕
空気密度:〔mg/cm3





🟠送風機の所要動力 P = 9.8 ×  $ \kappa $・Q・H 
$ \eta $
〔W〕
種類 $ \kappa $ $ \eta $
プロペラファン 1.3 0.5 ~ 0.75
デスクファン 1.5 0.3 ~ 0.5
シロッコファン 1.20 ~ 1.30 0.45 ~ 0.55
ターボファン( 500HP 以上) 1.15 ~ 1.25 0.65 ~ 0.75
ターボファン( 500HP 未満) 1.15 ~ 1.25 0.6 ~ 0.7
プレートファン 1.15 ~ 1.25 0.5 ~ 0.6
ターボブロアー|1 段 1.10 ~ 1.20 0.6 ~ 0.75
ターボブロアー|多段 1.10 ~ 1.20 0.55 ~ 0.7

(10) 送風機の加速・減速時間

加速時間 ta (JM + JL)×⊿ N
 9.56 ×(α× TM - TL ) 
〔秒〕
減速時間 ta (JM + JL)×⊿ N
 9.56 ×(α× TM + TL ) 
〔秒〕

TM :電動機の慣性モーメント〔kg・m2
TL :電動機軸に換算した負荷慣性モーメント〔kg・m2
⊿ N :回転速度〔rpm〕

(11) 必要加速トルク・必要減速トルク

必要加速トルク T1 =( Σ J × N
 9.56 × ta 
+η× TL )〔N・m〕
必要減速トルク T2 =( Σ J × N
 9.56 × ta 
-η× TL )〔N・m〕
Σ JM :負荷慣性モーメントと電動機の慣性モーメントの合計〔kg・m2
N :回転速度〔rpm〕
η :効率
TL :電動機軸に換算した負荷慣性モーメント〔kg・m2

第 1-3 項:ポンプの所要電力

(1) 全揚程
ポンプの吐出口および吸込口における全ヘッドの差をいう。

H = $ \Biggl( $ Pd
$ \rho $・g
Vd 2 + hd$ \Biggr) - \Biggl( $ Ps
$ \rho $・g
Vs 2 + hs$ \Biggr) $
 = Pd ー Ps
$ \rho $・g
Vd 2 ー Vs 2
2g
+ Yp
H :全揚程〔m〕
Pd :ポンプの吐出口静圧〔Pa〕
Ps :ポンプの吸込口静圧〔Pa〕
Vd :ポンプの吐出口の断面平均速度〔m/s〕
Vs :ポンプの吸込口の断面平均速度〔m/s〕
hd :ポンプの吐出口の位置ヘッド〔m〕
hs :ポンプの吸込口の位置ヘッド〔m〕
yp :ポンプの吐出口と吸込口の間の高低差〔m〕
$ \rho $ :密度〔kg/m3
g :自由落下の加速度〔m/s2
全揚程

第 1-4 項:電気機器

三相誘導電動機

(1) 三相誘導電動機の 2 次側電流の説明
三相誘導電動機が運転中、回転子側にすべり周波数電圧 s E20 が発生し、回転子の 2 次側に電流I2 が流れます。
$ I_{2} = \displaystyle \frac{E_{2}}{ \ \sqrt{ r_{2}^2 + ( s x_{2}^2 ) } } = \displaystyle \frac{s E_{20}}{ \ \sqrt{ r_{2}^2 + ( s x_{2}^2 ) } } $
回転磁界

(2) 2 次側を固定巻線と考える。
2 次側周波数をすべり周波数でなく電源周波数に置き換えて考え、2 次側回路の電圧およびインピーダンスをすべり量 s で割ります。
静止

(3) 2 次側を 1 次側に接続する。
2 次側巻線抵抗 r2 と r2/s を入れ替え、r2/s - r2 を機械出力として示します。(赤矢印および青矢印)
実際には回転子側の巻線抵抗値は、すべり量で変化するわけでなく便宜的に書き添えた程度のものです。
機械の出力=実効電力は、抵抗値 r に置き換えないと説明ができない仕組みがここにあります。
等価回路

第 1-5 項:電気自動車の駆動システム

(1) 電動自動車の駆動方式
1 台のモータで駆動する方法と、ホイールにモータを直接取り付ける「インホイールモータ」などがある。
URL: https://toyokeizai.net/mwimgs/e/2/1120/img_e2ad43ed1d0af15247c9185b5e888c33163381.jpg
電気自動車

(2) 電気自動車の駆動系に使われる電動機 … IPM (永久磁石埋込み型同期電動機)の構造とトルク特性
車載用モータは、振動や衝撃に強い IPM 電動機を使う場合が多い。
回転子に磁石を埋め込んだ IPM モータは、 リラクタンストルク が利用できるので、電動機のパワーアップが期待できる。
(株)安川電機 技術資料より引用 URL: https://www.e-mechatronics.com/mailmgzn/backnumber/201904/image/mame02.png

【交流電動機の概要】
  誘導電動機 同期電動機
磁石表面型 SPM 磁石埋込型 IPM
回転子構造 アルミニウムのかご型 SPM
回転子の表面に磁石を貼り付ける。
IPM
回転子の中に磁石を埋め込む。  
原理 回転子に電流が流れ、回転磁界速度より
「すべり」速度だけ遅れて回転する。
磁石トルクだけが発生し、回転子は回転磁界と
同一速度で回転する。
磁石トルクとリラクタンストルクが発生し、
回転磁界と同一速度で回転する。
体積 同期電動機より 2 ~ 3 枠以上大きい。 極小
力率・効率 良い 非常に良い 非常に良い
高速運転 非常に良い 非常に良い 非常に良い
最大トルク 非常に良い 非常に良い 良い
トルク成分 誘導 磁石 磁石とリラクタンス

IPM 磁石埋込み型同期電動機の「リラクタンストルク」

(1) 同期電動機の電機子(固定子)と回転子の関係 … 誘導電動機は、電源周波数から少し遅れた「すべり」で回転する。
同期電動機は、電源周波数に同期した速度で回転するが、負荷量の増減によって電源周波数から若干の遅れた電気角(負荷角)で回転する。
負荷角

(2) 同期電動機の直軸磁束と横軸磁束
漬物屋の古希ジジイにとっては、その意味がまったくわかりません。

同期電動機の直軸・横軸

(3) IPM 同期電動機のトルク特性
電動機の内部の磁気回路に「内部相差角(負荷角)」が発生することで 合成トルク が増幅される。
内容は、理解できなくても心配はいりません。この手の問題は、電験Ⅰ種のレベルです。

平成 29 年度第Ⅰ種電気主任技術者一次試験「機械科目」問 1 : URL: https://www.shiken.or.jp/answer/pdf/265/file_nm03/F1-K.PDF

トルク特性

(4) 同期電動機の出力

P0 = EI・cos θ - I2r = V・I・cos Φ〔W〕

  =  E・V 
Zs
・sin (δ+α) ー  V2 
Zs
・sin α〔W〕
  =  E・V 
Zs
・cos (β ー δ) ー  V2 
Zs
・cos β〔W〕

E :1 相の起電力〔V〕
V :1 相の端子電圧〔V〕
I :電機子巻線電流〔A〕
Zs :1 相の同期インピーダンス
xs :1 相の同期リアクタンス
r :1 相の電機子巻線抵抗

α = sin-1 r
 Zs 
β = cos-1 r
 Zs 

P0  E・V 
xd
sin δ +  V2 (xd - xq
xd・xq
1
 2 
sin 2 δ … 朱書きは「リラクタンストルク」の部分を示す。
xd :直軸リアクタンス
xq :横軸リアクタンス

(5) IPM 電動機のトルク特性
設備用 IPM 電動機は、定格速度 1500〔rpm〕のトルクは 100〔%〕です。500〔rpm〕では 80〔%〕になっている。
これは、回転速度が低下すると外扇の風量が低下し、電動機の冷却効率が悪くなるため制御アンプ側で出力を抑制している。

鉄道用 IPM や車載用 IPM は、列車や車が走行することで電動機が強制冷却されるため、低速領域でも 100〔%〕トルクを保証している。
AC サーボモータは、耐熱クラスが H 種ため冷却の必要がなく、低速領域やサーボロック中でも 100〔%〕のトルクを保証している。

同期電動機の種類

トルク特性

電気駆動系自動車は「トルクコンバータ」が不要

(1) ガソリンエンジン固有の問題
電動機の最大出力は、定格出力の 120〔%〕や 300〔%〕の出力が保証されているので、始動時の低速領域でも問題なく動く。
このため列車用電動機にはトルクコンバータがない。
電車用トルクコンバータ

(2) ガソリンエンジンの諸元例
もともとガソリンエンジンは、定格出力以上の最大出力の設計概念がない。

エンジンの出力は、トルク〔N・m〕× 回転速度〔rps〕で、低速領域ではエンジン出力が小さい。
ガソリンエンジンは「最大トルク」近傍で使うのが最も効率的。最適回転領域になるようにトランスミッションで制御する。

ガソリンエンジン特性
オートマチックトランスミション

第 2 節:空気加熱

(1) 空気の流動がない場合

ヒータに必要な熱量〔kW〕= 空気の体積〔m3〕×比重〔kg/m3〕×比熱〔kcal/(kg℃)〕×上昇温度〔℃〕
860×加熱時間〔h〕×効率〔η〕
ΔT〔℃〕 空気の加熱量(体積) V〔m3
10 25 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 1000
5 0.02 0.05 0.11 0.22 0.33 0.44 0.55 0.66 0.77 0.87 0.98 1.09 2.19
10 0.04 0.11 0.22 0.44 0.66 0.87 1.09 1.31 1.53 1.75 1.97 2.19 4.37
25 0.11 0.27 0.55 1.09 1.64 2.19 2.73 3.28 3.83 4.37 4.92 5.47 10.9
50 0.22 0.55 1.09 2.19 3.28 4.37 5.47 6.56 7.66 8.75 9.84 10.9 21.9
100 0.44 1.09 2.19 4.37 6.56 8.75 10.9 13.1 15.3 17.5 19.7 21.9 43.8
150 0.66 1.64 3.28 6.56 9.84 13.1 16.4 19.7 23.0 26.3 29.5 32.8 65.6
200 0.87 2.19 4.37 8.75 13.1 17.5 21.9 26.3 30.6 35.0 39.4 43.8 87.5
250 1.09 2.73 5.47 10.9 16.4 21.9 27.3 32.8 38.3 43.8 49.2 54.7 109
300 1.31 3.28 6.56 13.1 19.7 26.3 32.8 39.4 45.9 52.5 59.1 65.6 131
350 1.53 3.83 7.66 15.3 23.0 30.6 38.3 45.9 53.6 61.2 68.9 76.6 153
400 1.75 4.37 8.75 17.5 26.3 35.0 43.8 42.5 61.2 70.0 78.7 87.5 175
450 1.97 4.92 9.84 19.7 29.5 39.4 49.2 59.1 68.9 78.7 88.6 98.4 197
500 2.19 5.47 10.9 21.9 32.8 43.8 54.7 65.6 76.6 87.5 98.4 109 219
550 2.41 6.01 12.0 24.1 36.1 48.1 60.2 78.2 84.2 96.2 108 120 241
600 2.62 6.56 13.1 26.3 39.4 52.5 65.6 78.7 91.9 105 118 131 262

(2) 空気の流れがある場合

ヒータに必要な熱量〔kW〕= 空気の流量〔Nm3/hr〕×比重〔kg/m3〕×比熱〔kcal/(kg℃)〕×上昇温度〔℃〕
860 ×効率〔η〕
ΔT[℃] 加熱する空気の流量 m3/min(標準状態)
1 2 3 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
5 0.131 0.262 0.394 0.656 1.31 1.97 2.63 3.28 3.94 4.59 5.25 5.91 6.56
10 0.262 0.525 0.787 1.31 2.63 3.94 5.25 6.56 7.87 9.19 10.5 11.8 13.1
25 0.656 1.31 1.97 3.28 6.56 9.84 13.1 16.4 19.7 23.0 26.2 29.5 32.8
30 0.787 1.58 2.36 3.94 7.87 11.8 15.7 19.7 23.6 27.6 31.5 35.4 39.4
50 1.31 2.63 3.94 6.56 13.1 19.7 26.2 32.8 39.4 45.9 52.5 59.1 65.6
70 1.84 3.68 5.51 9.19 18.4 27.6 36.7 45.9 55.1 64.3 73.5 82.7 91.9
80 2.10 4.20 6.30 10.5 21.0 31.5 42.0 52.5 63.0 73.5 84.0 94.5 105
90 2.36 4.72 7.09 11.8 23.6 35.4 47.2 59.1 70.9 82.7 94.5 106 118
100 2.63 5.25 7.87 13.1 26.2 39.4 52.5 65.6 78.8 91.9 105 118 131
150 3.94 7.87 11.8 19.7 39.4 59.1 78.7 98.4 118 138 157 177 197
200 5.25 10.5 15.7 26.2 52.5 78.7 105 131 157 184 210 236 262
250 6.56 13.1 19.7 32.8 65.6 98.4 131 164 197 230 262 295 328
300 7.87 15.7 23.6 39.4 78.7 118 157 197 236 276 315 354 394
350 9.19 18.4 27.6 45.9 91.9 138 184 230 276 322 367 413 459
400 10.5 21.0 31.5 52.5 105 157 210 262 315 367 420 472 525
450 11.8 23.6 35.4 59.1 118 177 236 295 354 413 472 532 591
500 13.1 26.2 39.3 65.6 131 197 262 328 394 459 525 591 656
550 14.4 28.9 43.3 72.2 144 217 289 361 433 505 577 650 722

第 3 節:三相電力回路の計算 … マクロプログラム版

制御盤の負荷には、三相誘導電動機やヒータ回路などがある。電力負荷には、誘導電動機のような三相平衡負荷もあるが、単相ヒータのような三相不平衡回路もある。三相平衡負荷の電力計算は√3 ×電圧×電流で求められるのように計算は簡単です。しかし、不平衡負荷の場合は、計算はひと手間必要になるので計算式をプログラム化することで簡単に電力計算ができます。

(1) 多相電力の定常性 … これを計算で確かめたかった。
各相の電力瞬時値の総和は常に一定であって、各相の平均電力の和に等しい。電源から回路に流入する電力は単相交流と異なり脈動せず一定になる。
多相交流は回転磁界を作ることと、電力が一定であるという性質は多相交流の二大特性である。

icon 三相電力回路の計算マクロプログラム … 著作権を放棄します。マクロプログラムは勝手に改造してください。
  (画面サイズは 1920 × 1080 で設計しました。)

(2) マクロプログラムの使い方
制御盤主回路設計で必要されるものは、三相負荷に対する線電流を知ることです。最大 6 回路の計算が可能です。
① 85 ~ 480V の範囲で主回路電圧を設定します。黄色の網掛けのところに数値を入力します。
②各相の電力を設定する。三相平衡負荷(誘導電動機をイメージ)や単相電力(ヒータや照明負荷をイメージ)を設定します。
 黄色の網掛けのところに数値を入力します。電力単独や力率単独の設定はできません。電力と力率は必ず対で設定します。
③抵抗負荷も入力できます。(ただし、△結線のみ)
④計算をする場合は、「計算」ボタンを押します。計算結果は「電力計算シート」の青字の部分に表示されます。
 ベクトルや電力計の読みは、各シートに表示されます。
操作説明

(3) 多相電力の定常性は、三相交流だけでなくスコット変圧器の二相電力でも定常性を示します。
スコット変圧器の電力計算式 … マクロプログラムを組むのが面倒なので計算式のみ掲載します。

$ E_{a} = \sqrt{ 2 } \ I \ \sin \omega t $
$ E_{b} = \sqrt{ 2 } \ I \ \sin \ \Bigl(\omega t - \displaystyle \frac{ \pi }{ 2 } \Bigr)$

$ I_{a} = \sqrt{ 2 } \ I \ \sin \Bigl( \omega t - \theta \Bigr) $
$ I_{b} = \sqrt{ 2 } \ I \ \sin \ \Bigl( \omega t - \displaystyle \frac{ \pi }{ 2 } - \theta \Bigr)$
\begin{eqnarray} P & = & E_{a} I_{a} + E_{b} I_{b} \\ & = & 2EI \Biggl[ \sin \omega t \cdot \sin \bigl( \omega t - \theta \bigr) +\sin \Bigl( \omega t - \displaystyle \frac{ \pi }{ 2 } \Bigr) \cdot \sin \ \Bigl( \omega t - \displaystyle \frac{ \pi }{ 2 } - \theta \Bigr) \Biggr] \\ & = & EI \Bigl( 2 \cos \theta - \cos ( \ 2 \omega t - \theta ) - \cos ( \ 2 \omega t - \pi -\theta) \Bigr)\\ & = & 2EI \cos \theta \end{eqnarray}
スコット変圧器

第 4 節:ディーゼル発電機とインバーター機器

第 4-1 項:ディーゼル発電機と高調波

(1) インバータ負荷からの高調波
インバーター負荷は高調波を含んでいるため「総合力率」が悪いといわれ、電流波形は大きく歪んだ「うさぎの耳」と呼ばれる電流が流れる。
歪み率は軽負荷の場合に顕著に現れ、負荷電流が大きくなると歪み率は小さくなる傾向になる。

(2) インバータ負荷設備の電流波形をシミュレーションする。
フリーソフトの「 LTspice XVⅡ 」を使って全波整流器の歪み波形をシミレーションする。
産業用インバータ回路は 3 相回路だが、歪み波形を測定するだけなので単相全波整流回路でもシュミレーションが可能。
コンデンサ容量や疑似負荷の抵抗値を変えて、さまざまな波形をリアルに測定できる。
歪み波形測定回路

(3) シミュレーション波形を数値化する。
グラフ画像自動数値化のフリーソフト「 Graphcel 」を使って歪み波形を 1 サイクルを 256 分割した瞬時値波形を数値化する。

(4) Excel のデータ分析機能を使う
歪み波形の高調波分析をするために Excel のデータ分析  🡲  フーリエ級数を使い「フーリエ級数の複素数変換」する。
Excel の複素数フーリエ変換が分析できるデータ数は 2 の乗数に限られる。例えば、2,4,8,16,32,64,128 …
今回は 256 個のデータの複素数フーリエ分析のデータを得た。

f(t) = $ \displaystyle \sum_{i=0}^∞ $ ai・cos n θ + $ \displaystyle \sum_{i=0}^∞ $ bi・sin n θ
cos 部分:複素数フーリエ級数の実数部に当たる。
sin 部分:複素数フーリエ級数の虚数部に当たる。
高調波

(5) 高調波の波高値(振幅の大きさ)を計算する。
歪み波形の時間ごとの波高値が分かっているので、複素数フーリエ級数の係数を掛ければ、高調波の次数ごとの振幅の大きさを求めることができる。
ディーゼル発電機は、電圧の歪み率が 5〔%〕以下と規約で決まっている。

(6) 電圧変動率
無負荷電圧と定格負荷時の電圧変動は、± 2.5〔%〕。5〔%〕以下。

(7) 最大電圧降下特性
無負荷から 100〔%〕負荷の投入の場合、最大電圧降下は 30〔%〕。復帰時間は 2 秒以内。

(8) 速度変動

• 周波数ドリープ : 5〔%〕以下。
• 周波数変動率 :15〔%〕以下。
• 整定時間 : 8〔秒〕以下。

周波数ドリープ=(無負荷回転数-定格回転数)÷ 定格回転速度

電圧降下特性
電動機投入 投入容量と最大電圧降下特性は、誘導電動機の定格負荷での「直入れ始動」を
示している。

インバータ負荷の場合は、投入容量〔kVA〕最大電圧降下特性は適用できない。


第 4-2 項:同期発電機のベクトル図

(1) 同期発電機の等価回路とベクトル図( 1 相分)
δ 電気角は、発電機内部の同期リアクタンスと電機子巻線抵抗により発生する。
高調波によって同期リアクタンスのインピーダンスが変化するので電気角が影響を受ける。φ 負荷角は、負荷の力率。
ベクトル図

xa :電機子リアクタンス
x$ \ell $ :電機子漏れリアクタンス
xs :同期リアクタンス
r :電機子巻線抵抗
V :端子電圧
δ :電気角
φ :負荷角

(2) 第 3 調波
400〔V〕系の発電機の場合、発電機に第 3 調波が流れる。
第 3 調波

(3) 負荷の大きさと電気角の関係
電気角

第 4-3 項:プログラムの種類と特徴

プログラムを制作する過程で「アルゴリズム作成」は、どのプログラムも共通している。
アルゴリズム作成後、プログラムコードを作成するが、コードはプログラムエディタごとに若干違う。

(1) C++
長所:ほとんどのプログラムは作成できる。
短所:ソースプログラムをコンパイルして実行ファイル(exe)にするためバグ修正が難しい。
   プロフラムが exe 形式のため、プログラム開始前にウイルスチェックが欠かせない。

(2) JavaScript
長所:Web 画面を修飾して見やすくできる。簡単なプログラムを組める。
短所:算術計算が苦手。小数点の引き算でエラーが出る。(致命的)

(3) Visual Basic
長所:Excel との親和性が良く、マクロプログラムが組める。
短所:マクロ実行ファイル(exe)は、プログラム使用前にウイルスチェックが必要。

(4) 十進 Basic
長所:中学生、高校生のプログラミング教育に使用され、関数計算も簡単にプログラムできる。インタプリタ言語のため理解しやすい。
短所:画面修飾にやや難点がある。

第 4-4 項:十進 Basic プログラムに挑戦する。

最近になってから十進 Basic の存在を知った。学生向けのプロフラムエディタだけあって、数Ⅲ レベルの計算 + グラフィック描画は簡単にできる。 Basic プログラムは 50 年前に親しんだ記憶があり、半世紀前に覚えたことが記憶に残っていたので難なくプログラムができた。
シミュレーションプロラムの目的は「パラメータ計算」の部分に 0.5 秒刻みの最大電圧降下特性データ計算式を入れて発電機の挙動を調べた。
著作権の関係で(あまり詳しく書くと、前職がバレるので)パラメータ計算の掲載を割愛している。
興味があれば、十進 Basic エディタをダウンロードして以下のプログラムを貼り付けて下さい。画面サイズは、1920 × 1080 で設計してある。


第 5 節:電線・ケーブルの短絡電流保護

配線用遮断器の選定で早見表は、短絡保護強調計算の基本を理解した上で使うことをお勧めします。
短絡電流の本質がわからないと短絡電流計算の応用ができないとおもます。

第 5-1 項:配線遮断器のカタログデータを見る。

🟠 第 1 章:配電盤・制御盤%d気設計 g  第 3-5 項:主要部品の特性  配線用遮断器に集約します。
配線用遮断器

第 5-2 項:電線・ケーブル(電纜でんらん)の短絡電流保護協調

(1) 低圧電路の短絡電流計算に 600〔V〕 IV 電線を使って短絡電流を計算する訳
盤外配線には熱特性が優れた CV ケーブルや CVT ケーブルを使って施工するが、短絡電流計算は 600〔V〕 IV 線を使って計算する例が多い。
短絡時の電線・ケーブルの短時間許容温度上昇(電技解釈 第 146 条【低圧配線に使用する電線】)

電線・電纜

(2) 銅線の温度上昇 I2t について
導体の温度上昇を計算するときに「通過電流時間積 I2・t 」を使う。

【電線・ケーブルの短時間許容温度上昇限度】
電線・電纜名 温度上昇限度 短時間温度上昇限度 温度上昇幅
IV 電線 60〔℃〕 120〔℃〕 60〔K〕
架橋ポリエチレン 90〔℃〕 230〔℃〕 140〔K〕

導体に電流を流すと I2×抵抗 r の熱を発生する。r は抵抗の体積なので断面を通過する熱流量が I2 t になる。
I2t

(3) 電線の I2t 230〔℃〕 … CV ケーブル 120〔℃〕 … IV 電線の短時間許容温度
短絡電流の計算に IV 電線( 120℃)を使うほうが、通過電流時間積 I2t を小さい値を選択することができる。
IV 線の I2t

(4) IV 電線の電流・温度特性
例えば、38〔mm2〕の電線に 600〔A〕の電流を流すと、30〔℃〕→ 100〔℃〕に上昇する時間は 100〔秒〕を示している。
短時間の温度変化であるため電流の大きさと電線の温度上昇は比例すると考えると、38〔mm2〕の電線に
600〔A〕× 120〔℃〕÷ 100〔℃〕≒ 720〔A〕の電流をながすと 100〔℃〕に達すると思われる。
 IV 電線の電流・温度上昇特性

上記の電流・温度特性を表で表したもの

【 600V IV 電線を保護する定格電流選定表 @富士電機(株)技術資料より引用】
公称断面積 2 3.5 5.5 8 14 22 38 60 100 150 200 250 325
定格電流〔A〕周温 30 ℃水平碍子引き   27 37 49 61 88 115 162 217 298 395 469 556 650
定格電流〔A〕周温 30℃管内 3 本   19 26 34 42 61 80 113 152 208 276 328 389 455
時間 0.1 800 1,450 2,200 3,100 5,900 8,600 15,000 22,000 36000        
  0.2 530 960 1,500 2,100 400 5,900 9,500 16,000 25,000 40,000 50,000    
  0.5 350 650 970 1,450 2,700 4,000 6,400 10,000 18,000 27,500 33,000 41,000
  1 250 450 700 960 1,800 2,800 4,400 7,000 12,500 19,000 23,000 28,000 36,000
  2 195 350 520 730 1,400 1,950 3,200 5,000 8,100 12,500 16,500 19,500 25,000
  5 170 270 400 540 950 1,400 2,200 3,300 5,200 8,000 10,000 13,000 16,500
  10 120 200 300 400 700 1,000 1,650 2,300 3,700 5,500 6,700 8,200 10,500
  20 90 150 215 300 500 710 1,100 1,650 2,500 3,800 4,500 5,500 7,000
  50 65 105 150 200 340 480 740 1,100 1,700 2,700 3,200 4,000 5,000
  100 52 80 120 160 250 340 520 800 1,250 1,800 2,200 2,800 3,300
1 秒電流値の 15 分の1の電流値   17 30 47 64 120 187 293 467 833 1,267 1,533 1,867 2,400
2 秒電流値の 15 分の 1 の電流値   13 23 35 49 93 130 213 333 540 833 1,100 1,300 1,667
4 秒電流値の 10 分の 1 の電流値   18 30 44 60                  
8 秒電流値の 10 分の 1 の電流値           80 116 187 270 430        
12 秒電流値の 10 分の 1 の電流値                     482 582 712  
18 秒電流値の 10 分の 1 の電流値                          
短絡時 I2t〔×106A2・s〕温度上昇値 70K 0.01 0.056 0.172 0.425 0.9 2.74 6.8 20.3 50.5 140 315 560 825 1,500
600V IV電線(30℃ → 100℃):短時間を考慮した定格電流   18 30 44 60 80 115 162 217 298 395 169 556 650

第 6 節:系統短絡事故の計算

第 6-1 項:短絡電流の計算は早見表を使う

(1) 系統短絡電流の計算は、早見表を使う。
短絡事故は二相短絡と三相短絡が考えられるが、三相短絡電流が最大になる。また、事故電流は短絡点の短絡条件によって大きく異る。
短絡電流の大きさは、早見表の電流値よりも大きくなることはない。事故電流を手計算するのは非常に面倒です。
事故電流の概略は短絡電流早見表で十分だと思います。

短絡電流早見表の例 三菱電機(株)ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 技術資料集より引用。
短絡電流早見表

第 6-2 項:系統短絡のイメージ図

ここからは、短絡電流手計算の「底なし沼」の始まり始まり … 。

(1) 短絡回路のイメージ
系統短絡事故が発生すると電源からの「短絡電流」と系統内の「誘導電動機寄与電流」が短絡点に流れ込む。
短絡発生時に運転中の電動機は、その慣性により発電機として作用し、短絡電流を増加させる。
三相回路の短絡電流は、この電動機の寄与電流を考慮する必要がある。

三相負荷は誘導電動機や電力ヒータなどが考えられるが、工場配電の場合、負荷のほとんどが三相誘導電動機負荷である。
最近の三相誘導電動機は インバータ駆動することが多いので、短絡時の「寄与電流」は発生しない。
三菱電機|短絡回路のイメージ図

(2) 短絡電流の種類 … 三菱電機(株)ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器技術資料集より引用

• 対称短絡電流実効値
 対称短絡電流実効値(以下単に対称値または Is という)は、直流分を含まない交流分実効値、As/√2 をいう。

• 非対称短絡電流実効値
 非対称短絡電流実効値(以下単に非対称値または Ias という)は直流分をも含んだ実効値をいう。
 この値は、直流分が最大になるときに最大となる。

• 最大非対称短絡電流瞬時値
 短絡電流の瞬時値は、投入位相、力率により異なり( θ = 0 のとき最大)短絡発生後 ωt ≒ 兀/2 +φ において最大となる。
 この非対称短絡電流瞬時値(以下最大瞬時値または Ip という)は同様に回路力率と対称値から計算できる。

 短絡電流の波形 … 短絡電流には数サイクル分、直流電流が重畳ちょうじょうするといわれている。
短絡電流の包絡線

(3) 短絡電流の力率または短絡回路の X/R を基準とした非対称係数
短絡電流の係数 … 短絡回路の力率により短絡電流の直流分の大きさが変わる。

Ias = Is・$ \sqrt{1+2^{-\frac{2 兀 R}{X}} } $ = Is・K1

K1:単相最大非対称係数 … Ias は、対称値と回路力率から計算できる。
K1 = $ \sqrt{1+2^{-\frac{2 兀 R}{X}} } $

三相回路では各相位相角が異なっているから、Ias の値は各相異なってくる。
1/4 サイクル後における各相の平均をとり「三相平均非対称短絡電流」とする。

Ias = Is・$ \displaystyle \frac{1}{3}\biggl[ \sqrt{1+2^{-\frac{2 兀 R}{X}} }+2\sqrt{1+2^{-\frac{2 兀 R}{X}} } \ \biggr] $ = Is・K3 … ほとんど意味不明。😥

 配線用遮断器の遮断容量は、K3(三相非対称係数)で示してある。
K3 は、最大非対称短絡電流瞬時値係数または、投入容量係数という。

非対称短絡電流瞬時値は、回路力率と対象値から計算できる。
Ip = Is・√2 $ \biggl( 1+\varepsilon^{-\frac{兀 R}{X}} \biggr) $
短絡電流の力率

【NEMA 規格 ABI-1964:非対称短絡電流係数表】
短絡電流
力率〔%〕
短絡回路の
X/R
短絡電流角度
〔rad〕
対象値に乗ずべき係数
投入容量係数
Kp
単相最大非対称
実効値 K1
三相最大非対称
実効値 K3
0 1.5708 2.8284 1.7320 1.3938
1 99.9950 1.5608 2.7848 1.6965 1.3737
2 49.9900 1.5508 2.7426 1.6625 1.3544
3 33.3183 1.5408 2.7018 1.6298 1.3360
4 24.9800 1.5308 2.6623 1.5985 1.3185
5 19.9750 1.5208 2.6241 1.5685 1.3017
6 16.6366 1.5108 2.5872 1.5398 1.2858
7 14.2507 1.5007 2.5514 1.5123 1.2705
8 12.4599 1.4907 2.5168 1.4859 1.2560
9 11.0660 1.4807 2.4832 1.4607 1.2421
10 9.9499 1.4706 2.4507 1.4365 1.2289
11 9.0357 1.4606 2.4192 1.4134 1.2163
12 8.2731 1.4505 2.3887 1.3913 1.2043
13 7.6270 1.4404 2.3590 1.3702 1.1929
14 7.0725 1.4303 2.3303 1.3500 1.1820
15 6.5912 1.4202 2.3024 1.3308 1.1717
16 6.1695 1.4101 2.2753 1.3124 1.1618
17 5.7967 1.4000 2.2490 1.2948 1.1524
18 5.4648 1.3898 2.2235 1.2781 1.1435
19 5.1673 1.3796 2.1986 1.2621 1.1351
20 4.8990 1.3694 2.1745 1.2469 1.1270
21 4.6557 1.3592 2.1511 1.2324 1.1194
22 4.4341 1.3490 2.1283 1.2186 1.1121
23 4.2313 1.3387 2.1062 1.2054 1.1052
24 4.0449 1.3284 2.0846 1.1929 1.0987
25 3.8730 1.3181 2.0637 1.1811 1.0925
26 3.7139 1.3078 2.0433 1.1698 1.0866
27 3.5661 1.2974 2.0234 1.1591 1.0811
28 3.4286 1.2870 2.0041 1.1489 1.0758
29 3.3001 1.2766 1.9853 1.1393 1.0708
30 3.1798 1.2661 1.9670 1.1302 1.0661
31 3.0669 1.2556 1.9492 1.1215 1.0617
32 2.9607 1.2451 1.9318 1.1133 1.0575
33 2.8605 1.2345 1.9149 1.1056 1.0535
34 2.7660 1.2239 1.8984 1.0983 1.0497
35 2.6764 1.2132 1.8824 1.0914 1.0462
36 2.5915 1.2025 1.8667 1.0849 1.0429
37 2.5109 1.1918 1.8515 1.0788 1.0398
38 2.4342 1.1810 1.8366 1.0730 1.0368
39 2.3611 1.1702 1.8221 1.0676 1.0341
40 2.2913 1.1593 1.8079 1.0625 1.0315
41 2.2246 1.1483 1.7941 1.0577 1.0290
42 2.1608 1.1374 1.7807 1.0532 1.0268
43 2.0996 1.1263 1.7676 1.0490 1.0246
44 2.0409 1.1152 1.7548 1.0450 1.0226
45 1.9845 1.1040 1.7423 1.0413 1.0208
46 1.9303 1.0928 1.7301 1.0379 1.0190
47 1.8780 1.0815 1.7183 1.0346 1.0174
48 1.8276 1.0701 1.7067 1.0316 1.0159
49 1.7790 1.0587 1.6954 1.0288 1.0145
50 1.7321 1.0472 1.6844 1.0262 1.0132
51 1.6866 1.0356 1.6736 1.0238 1.0119
52 1.6426 1.0239 1.6631 1.0216 1.0108
53 1.6000 1.0122 1.6529 1.0195 1.0098
54 1.5586 1.0004 1.6429 1.0176 1.0088
55 1.5185 0.9884 1.6332 1.0158 1.0079
56 1.4795 0.9764 1.6237 1.0142 1.0071
57 1.4415 0.9643 1.6144 1.0127 1.0064
58 1.4045 0.9521 1.6054 1.0113 1.0057
59 1.3685 0.9397 1.5966 1.0101 1.0051
60 1.3333 0.9273 1.5880 1.0089 1.0045
61 1.2990 0.9147 1.5796 1.0079 1.0040
62 1.2655 0.9021 1.5714 1.0070 1.0035
63 1.2327 0.8892 1.5635 1.0061 1.0031
64 1.2006 0.8763 1.5558 1.0053 1.0027
65 1.1691 0.8632 1.5482 1.0046 1.0023
66 1.1383 0.8500 1.5409 1.0040 1.0020
67 1.1080 0.8366 1.5338 1.0034 1.0017
68 1.0783 0.8230 1.5268 1.0029 1.0015
69 1.0490 0.8093 1.5201 1.0025 1.0013
70 1.0202 0.7954 1.5135 1.0021 1.0011
71 0.9918 0.7813 1.5072 1.0018 1.0009
72 0.9639 0.7670 1.5010 1.0015 1.0007
73 0.9362 0.7525 1.4950 1.0012 1.0006
74 0.9089 0.7377 1.4892 1.0010 1.0005
75 0.8819 0.7227 1.4836 1.0008 1.0004
76 0.8552 0.7075 1.4782 1.0006 1.0003
77 0.8286 0.6920 1.4730 1.0005 1.0003
78 0.8023 0.6761 1.4680 1.0004 1.0002
79 0.7761 0.6600 1.4632 1.0003 1.0002
80 0.7500 0.6435 1.4585 1.0002 1.0001
81 0.7240 0.6266 1.4541 1.0002 1.0001
82 0.6980 0.6094 1.4498 1.0001 1.0001
83 0.6720 0.5917 1.4458 1.0001 1.0000
84 0.6459 0.5735 1.4420 1.0001 1.0000
85 0.6197 0.5548 1.4383 1.0000 1.0000
86 0.5934 0.5355 1.4349 1.0000 1.0000
87 0.5667 0.5156 1.4318 1.0000 1.0000
88 0.5397 0.4949 1.4288 1.0000 1.0000
89 0.5123 0.4735 1.4261 1.0000 1.0000
90 0.4843 0.4510 1.4237 1.0000 1.0000
91 0.4556 0.4275 1.4215 1.0000 1.0000
92 0.4260 0.4027 1.4196 1.0000 1.0000
93 0.3952 0.3764 1.4180 1.0000 1.0000
94 0.3630 0.3482 1.4167 1.0000 1.0000
95 0.3287 0.3176 1.4156 1.0000 1.0000
96 0.2917 0.2838 1.4149 1.0000 1.0000
97 0.2506 0.2456 1.4145 1.0000 1.0000
98 0.2031 0.2003 1.4143 1.0000 1.0000
99 0.1425 0.1415 1.4142 1.0000 1.0000
100 0.0000 0.0000 1.4142 1.0000 1.0000

知恵熱

第 6-3 項:短絡電流の手計算

(1) インピーダンスマップの作成
配電設計時に系統の変圧器の %インピーダンスやケーブルの種類・インピーダンスの図面を作成しておく。
インピーダンスマップ

(2) 短絡電流の計算方法
短絡事故は、2 相短絡と 3 相短絡が考えられるが、3 相短絡電流が最大になる。基本計算式は、

• Is E
 √3・Z 
× K オーム法
• Is  k〔kVA〕 × 1000 × 100 
√3・E・%E
× K パーセントインピーダンス法
Is :非対称短絡電流(三相短絡)
E :線間電圧〔V〕
Z :短絡点までのインピーダンス〔Ω〕
K :非対称係数
k :変圧器容量〔kVA〕
X :短絡点までのリアクタンス〔Ω〕
R :短絡点までの抵抗〔Ω〕
%Z :パーセントインピーダンス

(3) 機器のインピーダンス

 電源インピーダンス( ZL
三相電源短絡容量は、1000〔MVA〕、X/R = 25。
単相電源短絡容量は、  500〔MVA〕、X/R = 25 で計算する。

 変圧器インピーダンス( ZT
変圧器のインピーダンスは、その変圧器の容量における%値が示されているので、その値を基準容量値に換算するか、
オーム法で計算するときはオーム値へ換算して使用する。 … 三菱電機(株)ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 技術資料集より引用

【三相変圧器のインピーダンス】
変圧器容量
〔kVA〕
油入変圧器 モールド変圧器
6.6〔kV〕/210〔V〕 6.6〔kV〕/420〔V〕 6.6〔kV〕/210〔V〕 6.6〔kV〕/420〔V〕
ZT〔%〕 X/R ZT〔%〕 X/R ZT〔%〕 X/R ZT〔%〕 X/R
20 2.26 0.42 1.50 1.33
30 2.27 0.65 2.20 1.31
50 2.37 0.83 3.60 1.30
75 2.43 1.34 2.35 1.29 3.90 1.63 3.70 1.60
100 2.57 1.54 2.46 1.46 3.20 1.58 3.10 1.66
150 2.61 1.74 2.59 1.60 3.00 1.74 2.80 2.04
200 2.98 2.30 2.66 1.80 3.10 2.20 2.80 1.99
300 2.99 3.06 3.36 2.47 4.30 4.01 4.10 3.91
500 4.04 4.23 4.12 3.91 4.20 4.45 4.20 4.32
750 4.43 5.45 4.43 4.99 5.00 6.00 5.20 6.15
1000 5.31 6.91 4.77 5.66 6.20 7.45 6.00 7.44
1500 5.17 6.55 5.43 6.44 5.70 8.53 5.80 8.50
2000 5.91 7.51 4.82 6.53 7.00 11.01 6.20 10.64

 電動機の寄与電流のそのインピーダンス( ZM ) … 電動機が、非インバータ駆動の計算。
電動機のインピーダンスは、%インピーダンス = 25〔%〕、X/R = 6 ( Zs=Rs+jXs )とみなしてよい。

(4) 配線のインピーダンス
ケーブルの布設よりインピーダンスが若干異なる。

【 CV ケーブル俵積みのインピーダンス】
公称断面積
〔mm2
50〔Hz〕 60〔Hz〕
交流実効抵抗
R(90℃)
〔Ω/km〕
リアクタンス
X〔Ω/km〕
インピーダンス
Z〔Ω/km〕
交流実効抵抗
R(90℃)
〔Ω/km〕
リアクタンス
X〔Ω/km〕
インピーダンス
Z〔Ω/km〕
2 11.8 0.139 11.8 11.8 0.167 11.8
3.5 6.63 0.127 6.63 6.63 0.152 6.63
5.5 4.25 0.121 4.25 4.25 0.145 4.25
8 2.95 0.114 2.95 2.95 0.137 2.95
14 1.67 0.107 1.67 1.67 0.128 1.67
22 1.06 0.103 1.06 1.06 0.123 1.07
38 0.614 0.0955 0.621 0.614 0.115 0.625
60 0.389 0.0913 0.400 0.390 0.110 0.405
100 0.234 0.0881 0.250 0.234 0.106 0.257
150 0.157 0.0846 0.178 0.157 0.102 0.187
200 0.118 0.0859 0.146 0.119 0.103 0.157
250 0.0962 0.0836 0.127 0.0971 0.100 0.139
325 0.0751 0.0816 0.111 0.0762 0.0980 0.124
400 0.0622 0.0808 0.102 0.0635 0.0971 0.116
500 0.0510 0.0809 0.0956 0.0526 0.0972 0.111
600 0.0440 0.0799 0.0912 0.0458 0.0959 0.106
800 0.0356 0.0796 0.0872 0.0377 0.0955 0.103
800 0.0308 0.0796 0.0854 0.0313 0.0955 0.100
1000 0.0255 0.0777 0.0818 0.0262 0.0933 0.0969

ケーブル俵積み
【 CV ケーブル 平積みのインピーダンス】
公称断面積
〔mm2
50〔Hz〕 60〔Hz〕
交流実効抵抗
R(90℃)
〔Ω/km〕
リアクタンス
X〔Ω/km〕
インピーダンス
Z〔Ω/km〕
交流実効抵抗
R(90℃)
〔Ω/km〕
リアクタンス
X〔Ω/km〕
インピーダンス
Z〔Ω/km〕
2 11.8 0.197 11.8 11.8 0.236 11.8
3.5 6.63 0.185 6.63 6.63 0.222 6.63
5.5 4.25 0.179 4.25 4.25 0.215 4.26
8 2.95 0.172 2.96 2.95 0.206 2.96
14 1.67 0.165 1.68 1.67 0.198 1.68
22 1.06 0.161 1.07 1.06 0.193 1.08
38 0.613 0.154 0.632 0.614 0.184 0.641
60 0.389 0.149 0.417 0.389 0.179 0.428
100 0.234 0.146 0.276 0.234 0.175 0.292
150 0.156 0.143 0.212 0.157 0.171 0.232
200 0.118 0.144 0.186 0.118 0.173 0.209
250 0.0954 0.142 0.171 0.0959 0.170 0.195
325 0.0739 0.140 0.158 0.0746 0.168 0.184
400 0.0607 0.139 0.152 0.0615 0.167 0.178
500 0.0493 0.139 0.147 0.0502 0.167 0.174
600 0.0419 0.138 0.144 0.0430 0.166 0.171
800 0.0329 0.138 0.142 0.0342 0.165 0.169
800 0.0302 0.138 0.141 0.0305 0.165 0.168
1000 0.0247 0.136 0.138 0.0251 0.163 0.165

平積み

第 6-4 項:機器・電路の短絡強度

(1) 熱的強度
電線に大電流が短時間( JIS C0364-4-43では 5S 以下)流れた場合、発生した熱がすべて導体に蓄積される。

$ \biggl( $ I
 S 
$ \biggr)^2 $ × t =5.05 × 104 × loge 234 + T
 234 + T0 
I :短絡電流実効値〔A〕
S :電線断面積〔mm2
t :短絡電流通過時間〔秒〕
T :短絡時の導体温度〔℃〕
T0 :短絡前の導体温度〔℃〕

銅線の温度上昇

【600V ビニル絶縁電線の短絡電流に対する強度】
電線サイズ
〔mm2
許容 I2・t 電線外径間隔
〔㎝〕
電線反発力
〔N/m〕
1.6 φ 0.112 × 106 0.32 52.72 × Ie2
3.5 0.344 × 106 0.40 42.14 × Ie2
5.5 0.850 × 106 0.50 33.71 × Ie2
8 0.180 × 106 0.60 28.13 × Ie2
14 2.74 × 106 0.76 26.36 × Ie2
22 6.80 × 106 0.92 24.21 × Ie2
30 12.6 × 106 1.01 22.05 × Ie2
38 20.3 × 106 1.14 19.50 × Ie2
50 35.0 × 106 1.26 17.64 × Ie2
60 50.5 × 106 1.36 16.37 × Ie2
80 89.5 × 106 1.55 14.41 × Ie2
100 140 × 106 1.70 13.13 × Ie2
125 215 × 106 1.89 11.76 × Ie2
150 315 × 106 2.05 10.88 × Ie2
200 560 × 106 2.30 9.70 × Ie2
250 874 × 106 2.55 8.74 × Ie2
325 1,480 × 106 2.86 7.79 × Ie2

(2) 機械的強度

 平行電線に同一方向の電流が流れたときは相互に吸引し、異方向のときは反発する。その力は、 F = 19.8 × 10ー8 ×  i1・i2 
a
〔N/cm〕
F :導体に働く力
a :導体間隔〔cm〕
i1、i2 :各相に流れる電流の実効値〔A〕

 単相回路の場合は、電流は異方向のため反発力が働く。三相回路の場合は、
  • i1 = i0 sin(ωt + θ)- I0 sin $ e^{-\frac{R}{X} \omega t} $
  • i1 = i0 sin $ \biggl( $ωt + θ - $ \dfrac{2}{3} \biggr) $-I0 sin$ \biggl($ θー $ \dfrac{2}{3} $ 兀 $ \biggr) $・$ \varepsilon^{-\frac{R}{X} \omega t} $

I0 :短絡電流の交流波高値
f :周波数
φ :i1 の投入角
R :抵抗
X :リアクタンス
ω :2兀f
θ :φ-ρ
ρ :回路のインピーダンス角

 短絡電流 25〔kA〕の場合の電磁力は、体重 63〔kg〕のおっちゃんを瞬時に 1.25〔m〕吹っ飛ばす力に相当する。
  遮断容量 25〔kA〕の配線用遮断器サイズは小さくてもパワフルなのです。


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