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(1) 各種波形の波高率、波形率
実務で交流波形の平均値はあまり意識されないが、「フレミング左手の法則」(発電機)や「フレミング右手の法則」(測定器)は、
平均値で計算するので平均値が存在する理由の一つです。
• 実効値: $ \begin{eqnarray} V_{RMS} &=& \sqrt{\displaystyle\frac{1}{2\pi} \displaystyle \int_{0}^{2\pi}v({{\omega}t})^2d({{\omega}t}}) \end{eqnarray} $
• 平均値: $ \begin{eqnarray} V_{AVE} &=& \displaystyle\frac{1}{2\pi} \displaystyle \int_{0}^{2\pi}|v({{\omega}t})|d({{\omega}t}) \end{eqnarray} $
• 波形率= | 実効値 VRES
平均値 VAVE |
• 波高率= | 最大値
実効値 |
名称 | 波形 | 実効値 | 平均値 | 波形率 | 波高率 |
---|---|---|---|---|---|
正弦波 | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{\sqrt{2}} $ | $ \displaystyle \frac{2 E_{P}}{\pi} $ | $ \displaystyle \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} $ | $ \sqrt{2} $ | |
全波整流波 | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{\sqrt{2}} $ | $ \displaystyle \frac{2 E_{P}}{\pi} $ | $ \displaystyle \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} $ | $ \sqrt{2} $ | |
半波整流波 | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{2} $ | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{\pi} $ | $ \displaystyle \frac{\pi}{2} $ | $ 2 $ | |
方形波 | EP | EP | 1 | 1 | |
三角波Ⅰ | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{\sqrt{3}} $ | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{2} $ | $ \displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}} $ | $ \sqrt{3} $ | |
三角波Ⅱ | $ E_{P} \times \sqrt {\displaystyle\frac{\tau}{\pi}} $ | $ E_{P} \times \displaystyle \frac{\tau}{2\pi}$ | |||
矩形波Ⅰ | $ \sqrt{ \displaystyle \frac{\tau}{\pi} } \times E_{p} $ | $ \displaystyle \frac{\tau}{\pi} \times E_{p} $ | $ $ | $ $ | |
矩形波Ⅱ | $ E_{P} \times \sqrt{\displaystyle \frac{\tau}{2\pi}}$ | $ E_{P} \times \displaystyle \frac{\tau}{2\pi} $ | $ \sqrt{ \displaystyle \frac{ 2 \pi}{\tau} } $ | $ \sqrt{ \displaystyle \frac{ 2 \pi}{\tau} } $ | |
台形波 | ※ | ※ | $ $ | $ $ | |
のこぎり波 Ⅰ |
$ \displaystyle \frac{E_{P}}{\sqrt{3}} $ | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{2} $ | $ \displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}} $ | $ \sqrt{3} $ | |
のこぎり波 Ⅱ |
$ \displaystyle \frac{E_{P}}{\sqrt{3}} $ | $ \displaystyle \frac{E_{P}}{2} $ | $ \displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}} $ | $ \sqrt{3} $ |
(2) 歪み波形の波形率・波高値
• 波形率(フォームファクタ)は、平均値に対する実効値の比で交流波形が、どれだけ直流波形(平均値=実効値)に近いかを示す指標。
直流の場合は 1、正弦波の場合は 兀/(√2 )= 1.11。
波形率 = | 実効値 平均値 |
• 波高率(クレストファクタ)は、波形のピーク値と実効値の比(クレストファクタ=ピーク値/実効値)で定義され、波高率とも言われる。
直流の場合は 1、正弦波の場合は √2 = 1.414。
波高率 = | 最大値 実効値 |
整流形計器は交流をダイオードで整流して、 平均値を表示する。交流電圧計・電流計の目盛は測定値の 1.11(波形率)倍となっている。
(3) 歪み波形
インバータの電流波形は、矩形波形になっている。 … 汎用クランプ電流計で測定すると誤差が大きい。 AC サーボの電流波形は、電流制御を行っているいるため矩形波形ではない。
例えば、サーボロック状態(停止状態)でも規定トルクを保証するには矩形波形電流では制御できない。
AC サーボモータの電流をクランプメータで測定するのは以下の理由で意味がない。
①AC サーボアンプに電流計がある。②サーボロック状態は、DC 励磁のためクランプ電流計で測定できないなど。
(4) インバータ波形の波形率 … 三菱電機(株)トランスデューサ計器用変成器 技術資料集より参照
整流形交流計器で測定すると、導通角が狭いほど波形率が大きい。(誤差が大きい)
波形率 = $ \sqrt{ \displaystyle \frac{1}{1-\frac{\phi}{\pi}} }$
位相角 | 導通角 | 波形率 |
---|---|---|
0 | 180〔deg〕 | 1.0 |
φ=兀/6 | 150〔deg〕 | 1.095 |
φ=2兀/6 | 120〔deg〕 | 1.225 |
φ=3兀/6 | 90〔deg〕 | 1.414 |
φ=4兀/6 | 60〔deg〕 | 1.732 |
φ=5兀/6 | 30〔deg〕 | 2.449 |
(5) 電力調整ユニット波形の波形率 … 三菱電機(株)トランスデューサ計器用変成器 技術資料集より参照
整流形交流計器で測定すると、導通角が狭いほど波形率が大きい。(誤差が大きい)
波形率 = $ \displaystyle \frac{\pi \sqrt{\frac{1}{2}-\frac{2\phi-\sin 2\phi}{4\pi}}}{1+\cos \phi} $
位相角 | 導通角 | 波形率 |
---|---|---|
0 | 180〔deg〕 | 1.11 |
φ=兀/6 | 150〔deg〕 | 1.173 |
φ=2兀/6 | 120〔deg〕 | 1.328 |
φ=3兀/6 | 90〔deg〕 | 1.571 |
φ=4兀/6 | 60〔deg〕 | 1.964 |
φ=5兀/6 | 30〔deg〕 | 2.816 |
照明灯の種類 | 分類 | 発光効率〔lm/W〕 |
---|---|---|
白熱電球 | 40W | 11 ~ 13 |
100W | 16 ~ 18 | |
ハロゲンランプ | 20 | |
蛍光管 | 蛍光管 | 40 ~ 110 |
LED | 擬似白色(青黄色系) | 30 ~ 170 |
擬似白色パワー | 100 ~ 200 | |
高演色性白色 | 20 ~ 160 | |
放電ランプ | キセノンランプ | 25 ~ 35 |
低圧ナトリウムランプ | 120 ~ 180 | |
高圧ナトリウムランプ | 110 ~ 130 |
JISC7501:2011 一般照明用白熱電球
ワット〔W〕 | 光量〔lm〕 |
---|---|
20 | 170 |
30 | 325 |
40 | 485 |
50 | 640 |
60 | 810 |
80 | 1160 |
100 | 1520 |
150 | 2400 |
(1) バリスタの機能
電圧の大きさにより抵抗値を変化させ、ノイズやパルス電圧から機器を保護する。制御回路でよく使われる種類は、
• 金属酸化物バリスタ(酸化亜鉛系) … 安価で性能が良い。
• Si 系電圧素子(炭化けい素系)
酸化物の酸化被膜は基本的に電気抵抗が大きい(絶縁物)。ただし酸化被膜の厚さは〔μm〕程度と薄く酸化膜単体の破壊電圧値は大きくない。
酸化物を積層することで耐電圧を大きくしている。
• 定格電流は、バリスタの面積に比例する。
• 定格電圧は、バリスタの厚みに比例する。
• エネルギーの大きさは、バリスタの体積(面積×体積)に比例する。耐エネルギーが小さいと短絡電流が大きくなる。
(2) バリスタ電圧とは、DC 1mA を流したときのバリスタ両端の端子電圧。
KOA(株) ホームページ:
URL: https://www.koaglobal.com/product/caution/varistor
(2) バリスタ電圧の決定:
回路電圧 VE 〔V〕から①式を用いて選定するバリスタ電圧の最小値を決める。
VE | :回路電圧のピーク値 |
VV〔min〕 | :バリスタ最小電圧値 |
α | :安全係数(α= 0.1) |
選択するバリスタでは、カタログ記載のバリスタ電圧範囲の規格範囲下限値が 346V 以上のものを選択する必要がある。
さらに、バリスタには常時印加可能な電圧の限界値として最大許容回路電圧という規格がある。
この電圧を超える電圧を常時印加してしまうとバリスタが劣化してしまう可能性があるのでこの値も考慮する必要がある。
(3) 回路電圧 VE〔V〕から②式を用いて必要な最大許容回路電圧を求める。
VE | :回路電圧 |
VA〔min〕 | :最大許容回路電圧 |
α | :設計マージン(α= 0.2) |
事例では電源電圧が 200V〔r.m.s.〕± 10 %なので、①式からバリスタ電圧
\begin{eqnarray} V_{V} &\geqq& \Bigl( \displaystyle \frac{ 200 \times 1.1 }{ 1-0.2 } \Bigr) \\[8pt] &\geqq& 275〔V〕 \end{eqnarray}Ip | :サージ電流 |
Vs | :サージ電圧 |
Vc | :バリスタ抑制電圧 |
Zs | :等価サージインピーダンス |
電源電圧 | パリスタ電圧 |
---|---|
DC 3.3V | 8.2V |
DC 5V | 8.2V、12V |
DC 12V | 24V、27V |
DC 24V | 47V、56V |
DC 48V | 82V、100V、120V |
AC 100V 線間 Line-to-Line | 220V、240V、270V |
AC 100V 線~大地 Line-to-Earth | 470V |
AC 200V 線間 Line-to-Line 線~大地 Line-to-Earth |
430V、470V |
(4) サージ電流耐量 … 誘導雷が原因のパルス電流で制御回路のサージ電圧とは関係がない。
サージ電流耐量は、バリスタのサージ吸収能力を表す。バリスタがサージを吸収できるか、劣化・破壊されるかは、
サージ電流の大きさとサージの持続時間(通過電流 2 乗時間積の大きさ)によって決まる。
ケーブル施工で梁(水平梁または垂直梁)に当たることがある。
梁貫通施工と梁巻き施工の 2 種類がある。配管に 270〔deg〕以上の曲げ施工があると、機械的にケーブル通線できない。
このため、ユニバーサルジョイントを使って「梁巻き施工」する。
(1) 共晶はんだ
共晶はんだとは「錫」と「鉛」の合金。鉛を含まない「鉛フリーはんだ」があり、両者の違いは成分と融点で、共晶温度は 183 ℃。
共晶はんだは従来のはんだで、性能面で言えばこれらを凌駕するものは未だないというのが実情である。
電子部品の多くで使うことができなくなっているため、成分により電気抵抗などの特性が異なる。
JIS Z3282:はんだ-化学成分及び形状
• Sn-Pb 系合金 | 14 種類 | 固相温度:183 ~ 300〔℃〕 |
• Sn-Pb-Bi 系合金 | 3 種類 | 固相温度:135 ~ 300〔℃〕 |
• Sn-Pb-Ag 系合金 | 2 種類 | 固相温度:179 ~ 309〔℃〕 |
(2) 鉛フリーはんだ
鉛フリーはんだは、EU 圏で使われる電子部品等に一定以上の鉛を含んでいるものは流通させることができないという RoHS 指令による。
現在のはんだの主流となっている「はんだ」である。現在は「鉛はんだ」に取って代わる存在となっている。
JIS Z3282:はんだ-化学成分及び形状
• 高温系 | 固相温度:217 ~ 238〔℃〕 |
• 中高温系 | 固相温度:217 ~ 238〔℃〕 |
• 中温系 | 固相温度:196 ~ 213〔℃〕 |
• 中低温系 | 固相温度:190 ~ 198〔℃〕 |
• 低温系 | 固相温度:119 ~ 139〔℃〕 |
(3) はんだの成分と融点
• 液相:Pb-61.9wt%Sn
• α相:Pb-18.3wt%Sn
• β相:Pb-97.8wt%Sn