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JIS Z8204:計装図記号からの引用です。

4. 基本記号
4.1 基本記号の構成
基本記号は、文字記号、個別番号および図記号で構成する。

4.2 文字記号
4.2.1 文字記号一般
文字記号は、変量記号、変量修飾記号および機能記号からなり、この順序で構成し、表 1(丸ゴシックの文字で表したものを除く)による。

【表 1:文字記号】
文字記号 記号の意味
変量記号 変量修飾記号 機能記号
A     警報
B     状態表示、運転表示
C     調節
D 密度又は比重  
E 電気的量   検出器
F 瞬時流量 比率  
G 位置又は長さ   ガラス
H 手動    
I     指示
J   自動走査  
K 時間   操作ステーション
L レベル    
M 水分又は湿度    
N 任意選択   任意選択
O 任意選択   制限オリフィス
P 圧力又は真空   試料採取点又は測定点
Q 品質例:組成、渡度、導電率 積算 積算
R 放射線   記録
S 速さ、回転数又は周波数   スイッチ
T 温度   伝送
U 多種の変量   多機能計器
V 粘度   バルブなどの調節部
W 質量又は力   保護管
X 不特定の変量   その他の機能
Y 任意選択   演算器、変換器、リレー
Z     安全又は緊急
注 (1) 仕様記号( 5.4 参照)または、注を付加することによって測定対象を明確にしてもよい。
注 (2) 使用者が任意に選択して用いる文字記号であって、変量に対する文字記号の割り当てが表 1 になく、かつその変量がその装置で繰り返して使用されるとき、その変量について使用者が規定してもよい。
注 (3) 多種の変量を 1 台の機器に入力するとき、文字記号 U を、それぞれの変量記号を代表して用いてもよい。
注 (4) 文字記号 X は、その装置に限られた範囲で使用されるどこにも分類されない変量として使用し、その内容は必要に応じて明記する。
たとえば ITV など。
〔備考〕 機能記号の中で、丸ゴシック体の文字で表記したものは、詳細記号の文字としてだけ用いる。

4.2.1 変量記号
変量記号は、測定変量および起因変量を表す文字記号があって、大文字で表す。

4.2.2 変量修飾記号
変量修飾記号は、必要に応じて変量記号と組み合わせて使用し、大文字で表す。ただし、誤解を生じる恐れがなければ小文字を用いてもよい。

4.2.3 機能記号
機能記号は、機能を表す文字記号であって、大文字で表す。
二つ以上の機能記号を直列する場合の順序は、I、R、C、T、Q、S、Z、A とする。
なお、特に識別する必要がない機能は、この記号を省略してもよい。たとえば、流量指示調節警報計において、FICA の代わりに、指示計付きであることを識別する必要がないときは、FCA、警報付きでることを識別する必要がないときは、FIC となる。

〔備考〕機能記号 A を修飾して上限警報、下限警報を表示する場合、仕様記号( 5.4 参照)として、それぞれ H、L を用いて表すことができる。
    偏差、変化率なども同様に仕様記号によって表すことができる。この場合、記号の意味を明記したうえで、使用する。

4.3 個別番号
個別番号は、個々の測定および制御ループを識別するために用いるものであって、アラビア数字で表す。

4.4. 図記号
4.4.1. 円記号
計測制御の機能は、直径約 10mm の細い線で表した円記号(表 2)内に、文字記号、個別番号を記入して表す。これらを円内に記入できない場合は、一部を円外に書いてもよい。

【表 2 】
場所の区別 図記号
監視・操作の場合を区別する
必要のない一般の場合
表_2
監視・操作の
場所を区別する
場合
現場 表_2
計器室 (※5) 表_2

注 (5):オペレータが、通常、装置の監視・操作を行う場所。

〔備考〕円内に文字記号と個別番号を記入する場合は、文字記号を上部に、個別番号を下部に記入する。監視・操作の場所が計器室の場合は、
    原則として、横線の上部に文字記号を、下部に個別番号を記入する。また、文字記号を円の上半分の左側に、個別番号を右側に
    書くこともできる。

4.4.2. 線
図記号に用いる線は、次による。

(1) 計器とプロセスとの接続線
計器とプロセスとを結ぶ線は、図 1 に示す細い実線とし、一般配管またはプラント機器の輪郭を表す線より細くする。
図-01

(2) 信号線
信号線は、原則として、図 2 に示すように、線に対し約 60°の傾きをもった線を等間隔に入れた細い実線とし、一般配管より細い線で表す。
図_2
なお、混同することがなければ、図 3 に示すように、斜線がない細い実線で表してもよい。
図_3

  〔備考〕特にやむを得ない場合は、実線の代わりに破線(- - -)を用いてもよい。ただし、二つの方法を混同してはならない。

(3) 信号線の接続方式
信号線の接続方式は、表 3 による。

【表-03 】
接続状態 図記号
接続していないとき 表_3
接続しているとき 表_3
分岐しているとき 表_3

(4) 信号線の流れ方向
複雑な回路などで、信号の方向を表示する必要がある場合は、図 4 に示すように矢印を付けて表す。
図_4
なお、混同することがなければ、図 5 に示すように、斜線がないもので表してもよい。
図_5

4.4.3. 測定点
測定点は次による。

(1) 測定点は、図 6 に示すように、一般配管またはプラント機器を表す外形線に接続する引出線  (細い実線)との交点で示す。
図_6

(2) 測定点の位置は、機能的に見て正しい場所であり、また、プロセスの流れの順番に合っていなければならないが、必ずしも設備上の具体的な場所を表す必要はない。

(3) 測定定点を明確に表す必要がある場合は、図 7 に示すように、プラント機器を表す図の中に、直径約 2mm の円で測定点を引出線の端に表すことができる。
図_7

  〔備考〕特にやむを得ない場合に限り、○印の代わりに×印を用いてもよい。ただし、二つの方法を  混用してはならない。

4.4.4. 調節部
調節部は、表 4 に示す調節端と操作部によって表す。

表-04
種類 適用 図記号 備考
調節端 調節端の種類が決められていない場合 表-04 一辺が 5mm の正三角形
調節端がバルブの場合 表-04  
操作部 自動操作の場合 表-04 直径約 5mm の細い実線の円
自動操作部に手動操作部が付属している場合 表-04  
手動操作の場合 表-04 直径約 5mm の細い実線の半円
調節部 調節端と操作部との組合せの例 表-04  

5. 詳細記号

5.4. 仕様記号
仕様記号は、変量記号、機能記号などで表現しきれない、より詳細な内容を表現したいときに使用する記号で、円記号の外側の近傍に表示する。
表示は、記号文字またはアラビア数字によって行い、この規格で規定するもの以外は、記号の意味を明記したうえで使用する。
仕様記号は、次の場合用いる。

(1) 変量を更に明確にする場合
例 1

(2) 機能を更に詳しく説明する場合
例 2

(3) 演算機能を明確にする場合
例 3

(4) そのほか、使用者が必要と考える場合

5.5. 図記号

5.5.1. 計器信号線
計器信号線の種類は、表 5 による。

【表-05:計器信号】
種類 図記号
電気信号 (E) 表-05
空気圧信号(A) 表-05
油圧信号 (L) 表-05
細管 表-05
導路がある放射(放射線、可視光線) 表-05
内部結合 表-05

〔備考〕特にやむを得ない場合は、表 5 の図記号の代わりに、表 6 の図記号を用いてもよい。ただし、表 5 の方法と混用してはならない。

【表-06】
種類 図記号
電気信号 表-06
空気圧信号 表-06
油圧信号 表-06
細管 表-06
導管がある放射 表-06

5.5.2. 検出器・操作部・調節計などの図記号
検出器、操作部、調節端などの種類を区分する場合は、表 7~13 による。

【表-07:流量検出器】
種類 図記号
オリフィス 表-07
ベンチュリー管 表-07
ノズル 表-07
面積式流量計 表-07
タービン式流量計 表-07
容積式流量計 表-07
電磁流量計 表-07
(測定エレメント)挿入形流量計 表-07
そのほかの流量計 管路取り付け形 表-07
管外取り付け形 表-07
【表-08:レベル計】
種類 図記号
機器本体直付け形レベル計
(例:はり付けガラス式、ロードセルなど)
表-08
単一ノズル取り付け形レベル計
(例:内球式レベルスイッチ、内筒式液面計)
表-08
2 ノズル取り付け形レベル計
(例:差圧式、外筒式液面計)
表-08
タンクゲージ(一般形) 表-08
タンクゲージ(頂部取り付け形) 表-08
【表-09:自力式調節弁】
種類 図記号
自力式流量調節弁 表-09
内部検出形自力式圧力調節計 表-09
外部検出形自力式圧力調節計 表-09
外部検出形自力式圧力調節計
(取り出しノズル 2 個)
表-09
自力式液面調節計 表-09
【表-10:操作部】
種類 図記号
ダイヤフラム式 表-10
ダイヤフラム式(圧力バランス式) 表-10
電動式 表-10
電磁式 表-10
ピストン式 表-10
手動リセット付き電磁式 表-10
遠隔電気リセット付き電磁式 表-10
油圧式 表-10
【表-11:調節計】
種類 図記号
バルブ(一般) 表-11
アングル弁 表-11
三方弁 表-11
バタフライ弁、ダンパまたはルーバ 表-11
ボール弁 表-11
【表-12:調節部の動作】
種類 図記号(ダイヤフラム式調節弁の場合)
動力源が零のときに開くバルブ 表-12
動力源が零のときに閉じるバルブ 表-12
動力源が零のときにその直前の開度を保つバルブ 表-12
動力源が零のときに開度が不定となるバルブ 表-12
動力源が零のときに許容移動方向を示す場合 表-12
動力源が零のときに下側への出口が開くバルブ 表-12
【表-13:そのほかの図記号】
種類 図記号 備考
伝送器(7) 表-13 円の中に文字記号を入れて表す。
圧力の場合の例:
PT は、圧力を示す。
表-13
ダイヤフラムシール 表-13  
パージ 表-13  
切り替えスイッチ(8) 表-13 切り替え位置が三つの場合の例:
表-13
切り替えバルブ(8) 表-13 切り替え位置が三つの場合の例:
表-13

5.5.3. 演算機能の表示
演算機能を詳しく表示する場合は、表 14 に示す仕様記号を用いて、延期号の外側の近傍に表示する。

【表-14:演算機能を表す仕様信号】
仕様記号 機能
加える
引く
× 掛ける
÷ 割る
開平
高位信号選択
低位信号選択
REV 信号反転
1:1 信号増強(ブースト)
3、0.5(一例) 利得、減衰
f(x) 関数演算
1-0 アナログのオン - オフ信号変換
LU 2 値信号によるアナログ信号のロックアップ
± バイアス(9)
d/dt 時間に関する微分
時間に関する積分
I/P(一例) 電流 - 空気圧変換
種類 記号
電圧 E
電流 I
空気圧 P
アナログ量 A
デジタル量 D

1. 加算
〔備考〕a1、a2、a3 は、理解を助けるために付けたもので、記号ではない。
表 14

2. 選択
〔備考〕 a1、a2、Z は、理解を助けるために付けたもので、記号ではない。
表 14

3. 利得および減衰(流量信号の例)
〔備考〕 a は、理解を助けるために付けたもので、記号ではない。
表 14

4. バイアス(流量信号、バイアス k が可変の例)
〔備考〕 a、k は、理解を助けるために付けたもので、記号ではない。
表 14

5.5.4. 2 値論理信号
2 値論理信号を表す場合は、JIS C6271(2 値論理信号)による記号を組み合わせて使用する。

【 2 値信号によるアナログ信号のロックアップの例】
2 値信号 (B) の状態が変化
した場合の出力信号 (Z) の状態
2 値信号 (B) が状態 1 から 0 に
変化する場合 (B=1 のとき Z=1)
2 値信号 (B) が状態 0 から 1 に
変化する場合 (B=0 のとき Z=A)
最終値 (N) を保持する 2 値信号 2 値信号
初期設定最小値となる 2 値信号 2 値信号
初期設定最大値となる 2 値信号 2 値信号
初期設定任意値となる
(例:約 70% の場合)
2 値信号 2 値信号

5.5.8. 2 値論理信号
2 値論理記号を表す場合は、JIS C6271(2 値論理素子記号)による組合せて使用する。例を参考表に示す。

【参考表】
名称 記号
論理積(AND) 参考表
論理和(OR) 参考表
否定(NOT、Negater) 参考表

5.5.9. コンピュータおよび CRT またはマルチループコントローラ
コンピュータおよび CRT またはマルチループコントローラを他と区別して表示する場合は、表 15 による。

【表-15】
種類 図記号 備考
コンピュータまたは
コンピュータ入出力
表-15 製図の都合で、この記号を回転して書いてもよい。
CRT またはマルチ
ループコントローラ
表-15 この記号は、回転して書いてはならない。
【表 16】
区分 図記号 備考
現場で提供される場合または
全く提供されない(ブラインド)場合
表 16  
計器室で提供される場合 表 16 円記号の場合で、パネル裏装置であることを特に示したいときは、
横破線で表示することができる。
表 16
現場盤で提供される場合 表 16 現場盤の名前を図記号の 近傍に書いて示してもよい。
コンプレッサ盤の例:
表 16
【表-17】
接触の種類 意味
コンプイータ記号、CRT、マルチ
ループコントローラ記号間または
これらと円記号の接触
接触している図記号の計器間で、情報の交換がある。
表-17
上記以外の記号同士の接触 一つのユニットが多機能からなり、それを区別して表している。
表-17

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